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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第16章 「心のままに、花が咲くとき」


「伊地知がどうしても僕の代わりに並びたいっていうからね」

「絶対、伊地知さんそんなこと言ってないと思いますけど……」



伏黒くんがぼそり。


先生はいつもの調子でベッドのそばにある椅子に腰掛け、
会話に加わるように、自然に話題に乗ってきた。

 

「で、なんの話してたの?」

 

虎杖くんが、悪気なくニコニコしながら答える。

 

「えーっとね、先生が“恋人としてありかなし”って話してた!」

 

(――ひっ!虎杖くんやめてぇ……!)

 

心の中で悲鳴を上げた時には、もう遅かった。

 

「ふーん? そんなの――」

 

先生はにこっと余裕の笑みを浮かべて、

 

「満場一致で“あり”でしょ?」

 

と、自信たっぷりに言い放った。
一瞬、全員の時が止まったような静寂。

 

「……その自信、どこから来るんですか?」

 

伏黒くんが、信じられないものを見る目で突っ込んだ。

 

「いやいや、この僕だよ? 最強だし、顔もイケてるし、性格も……」

「悪いよ」

 

野薔薇ちゃんが即答した。

 

「ていうか、私もも“なし”って言ったし。ね、?」

「え、えええ……っ!? あ、あの、それは、その……!」

 

突然振られて、うまく言葉が出ない。
どうしても視線を合わせられなくて、思わずドーナツの袋をぎゅっと握る。

 

「そうそう、も“なし”って」

 

虎杖くんが悪意ゼロで笑いながら言う。

 

「“タイプじゃない”って、さっき自分で言ってたよな」

 
(終わった……)


「へー……」

 

先生が少しだけ声を引いた。

 

「野薔薇も“なし”で……」

 

そして、わざとらしくこちらを見る。

 

「も、なしかぁ~~~」

 
(うっ……)

 
先生が笑いながら、こちらをじっと見る。
その笑顔が怖い。
サングラスの奥の視線が、いつもより刺さる。


(やばい。絶対あとで何か言われる……)

(先生、こういうの……いつまでも覚えてるんだから……!)

 
なんとか場の空気をごまかそうと、ジュースに口をつけるふりをするけど、気が気ではない。

 
すると、先生がふいに立ち上がる。
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