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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第16章 「心のままに、花が咲くとき」


「――ねえ、伏黒」



唐突に、野薔薇ちゃんが声を上げる。



「……あんた、に気があんの?」

「……ぶっ!?」



伏黒くんが口につけていたジュースを、思いきり吹き出しそうになった。



「は、はあっ!? 急に何言って――」

「えっ、ちょっ……野薔薇ちゃん……!」



私まで反射的に声を上げてしまい、思わず顔が熱くなる。



「だ、だから言っただろ。深い意味はないって……! この前のお詫びってだけだよ」



そう言いながら、伏黒くんは耳まで真っ赤になって、
持っていたカップをテーブルに置いた。



「……てか、ぶっちゃけ」



今度は、野薔薇ちゃんがぐいっと私の方へ身を乗り出す。



「的には、伏黒ってどうなのよ? ……あり?」

「ええっ!?」



思わず、変な声が出た。
顔が一気に熱くなるのがわかる。



「な、な、なんでそんなこと聞くの!?!?」



野薔薇ちゃんはジュースを啜りながら、にやにやと笑っている。



「……そういう茶化すの、やめろよ」



伏黒くんが頬に赤を滲ませたまま、不機嫌そうに目を細める。



「は? 茶化してないし。真面目に聞いてんだけど?」



野薔薇ちゃんはそう返しながらも、明らかに楽しんでいる様子だった。



「俺も気になる!」



ちゃっかり虎杖くんまで乗っかってきた。



「てか、俺は? 俺は“あり”なの? なしなの?」

「も、もうっ、ほんとにやめてってば……!」



思わず声を張り上げたあと、私はぎこちなく髪を耳にかけた。



「……伏黒くんも、虎杖くんも……」



ほんの少し、息を吸い込む。



「……私には、勿体無いくらいの友達で……大事な仲間、だよ」



それが、今の私の正直な気持ちだった。



「はい、伏黒振られた~」



野薔薇ちゃんが、すかさずからかうように言った。



「……ったく、お前は……」



伏黒くんは小さく舌打ちしながら、呆れたように頭をかいた。



「――じゃあ、先生は?」



虎杖くんのその一言が、まるで爆弾のように放り込まれる。



「……っ!」



空気が止まる。
私は言葉を失ったまま、固まってしまう。
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