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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第16章 「心のままに、花が咲くとき」


【番外編】1年ズがの見舞いにくる話


※このお話は、第16章で再び千葉の港へ向かう直前の出来事です。

本当は伏黒くんとの“仲直り回”として軽めのつもりで書き始めたのですが、思いのほか長くなってしまいました。
友情多めで進めようとしたのに、最後はやっぱり五条先生が全部持っていきましたね……。
伏黒くんがややキャラ崩壊気味かもしれませんが、番外編として箸休めに楽しんでいただけたら嬉しいです。












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病室のドアがバンッと勢いよく開いた。



「~! ピザ持ってきたわよー!」



野薔薇ちゃんの元気な声が、静かな病室に響いた。
その後ろには、大きなピザの箱を両手で抱えた虎杖くんと、どこか申し訳なさそうに紙袋を持つ伏黒くんの姿が続く。



「えっ、みんな? ピザ?」



ベッドで本を読んでいた私は、突然の来訪者に思わず目を丸くする。
そんな私を見て、虎杖くんは得意満面の笑みで答えた。



「チーズてんこ盛り! 元気出そうでしょ?」

「……病人にピザは重いだろ」



伏黒くんがぼそっとツッコミを入れる。
その視線はピザの箱を見つめてやや引き気味だった。

「もっと胃に優しいものとか、考えなかったのか?」

「いや、でもチーズは栄養満点って言うし!」



虎杖くんが食い下がる。



「栄養うんぬんじゃなくて、“消化に優しいかどうか”だろ……」

「細かいことはいいのよ。伏黒、そんなじゃ禿げるわよ」



野薔薇ちゃんがピザカッターを手に、椅子に腰を下ろしてふたを開ける。
ふわっと広がる香ばしい匂いに、思わず表情がゆるんだ――けれど。



「……あの、みんな……」



私は少し戸惑って声を漏らす。


(……私、ずっと……みんなを避けてたのに)


自分の力のことも、距離を置いていたことも、ちゃんと話せてなかった。
それなのにみんなは――
変わらず、こうして笑いながら訪ねてきてくれる。



「……ほんとは、言いたいこと山ほどあるけど」



野薔薇ちゃんが声をかけてくる。



「今はそれ、置いといて。まずは食べるわよ、」



そう言って、にんまりと笑いながらピザカッターを走らせる。
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