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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第16章 「心のままに、花が咲くとき」


「あ、そうだ」


 
ポケットに手を入れ、何かをごそごそと取り出す。



「の制服のポケットに、これが入ってた」

 

そう言って差し出されたのは、
あの小さな貝殻のキーホルダーだった。


(……それ……)


私は硝子さんからそれを受け取り、指先でそっと転がす。
キーホルダーに付いた小さなガラス玉が、光を受けて淡くきらめいた。


(……ユウナちゃん……)


指の中で感じるこの感触が、
あの子の声や笑顔、手のぬくもりまでを思い出させた。

 

「――硝子さん」

「ん?」

「……明日、外出許可をもらえますか?」

 

硝子さんは、片眉を上げる。



「いいけど……どこ行く気?」

 

その問いには答えず、私は二人を見つめた。


 
「私、まだ……やることがあります」

 

この手の中にあるものは、あの子が残してくれた“願い”だ。


それに、ちゃんと応えたい。
後悔じゃなくて、未来へ繋ぐために――
 

私は貝殻をそっと握りしめた。
静かな決意とともに。
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