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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第16章 「心のままに、花が咲くとき」


「だって……なんか……二人を見てたら」

 

おかしくて、でもなんだか嬉しくて。



「先生と、硝子さんと……また一緒にいられるんだって……そう思ったら、なんか嬉しくなっちゃって」

 

そう言いながら二人を見て、胸の奥にこみあげるものがあった。
気づけば、視界の端にほんのりと涙がにじんでいた。
 

先生がそんな私を見つめたまま、やわらかく目元を緩める。
その視線に私はまた少しだけ、顔を赤くした。



「……五条のその顔、見てるこっちが鳥肌立つんだけど」

 

硝子さんがぞくっとしたように身震いして、白衣の上から両腕をさする。

 

「えー? せっかく優しい彼氏ムーブしてんのにぃ」

「それが不気味だっつってんの」
 


硝子さんはやれやれと肩を落としてから、親指をぐいっと後ろに突き出した。



「……で、あれはどうする?」

 

そこには、いまだに泡を吹きながら床で転がっている伊地知さんの姿が。



「だーいじょうぶでしょ。ほっとけば起きるって」



先生はのんきな声でそう言うと、



「人のキスシーン見ただけで失神するとか……伊地知、童貞か?」



と呆れたように眉を下げた。


(……いや、伊地知さんが倒れてるのはもっと別な理由な気がする)


私は内心で、そっとツッコミを入れるしかなかった。


すると、硝子さんがふと思い出したように声を上げた。
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