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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第13章 「咲いて、散って、また咲いて**」


(……何か、あったのかな)


そう思っていると、先生がこちらに振り返った。

 

「……ごめん。ちょっと、家の用事できちゃってさ」

「すぐ戻るから、ちょっとだけ待っててくれる?」

 

先生の声は、どこか申し訳なさそうだった。
 


「……私のことは気にしないでください」

 

そう言ってから、少し微笑んで続ける。

 

「この辺り、少し散歩して待ってるので」
 


そう答えると、先生は少しだけ目を細めて笑った。
そっと私の頭に手を伸ばす。


大きな手のひらが、髪の上をやさしく撫でた。

 

「遠くまで行って迷子になっちゃダメだよ?」

「……なりませんよ、子どもじゃないんですから」

 

思わずむっとして言い返すと、先生はそれを見て、
くすりと笑った。 



「じゃ、ちょっと行ってくるね」

 

小さく手を振って、先生は部屋を出ていった。

 

その背中が見えなくなるまで、わたしはしばらく扉の方を見つめていた。

 

そっと立ち上がり、スカートの裾を整える。

 

(……私も、外の空気を吸ってこよう)

 

心のなかでそう呟いて、荷物の横にあるスマホに手を伸ばした。
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