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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第13章 「咲いて、散って、また咲いて**」


***


朝食を終えたあとは、再び部屋に戻って、
帰り支度を整えることにした。

 
私は荷物をまとめながら、襟元を整えたり、
髪を結い直したりしていた。

 
ふと、鏡に映った自分を見る。
頬が、ほんのり赤い。

 
昨夜のことも、朝のことも、全部、夢じゃないんだと実感する。

 

「ー、荷物まとまった?」

 

先生の声に、わたしは「はい」と振り返った、
ちょうどそのとき――

 

「――悟様。少し、よろしいですか」

 

控えめなノック音とともに、榊原さんが部屋の襖をそっと開けた。

 

「ん、何?」

 

先生が振り向いて、声のトーンを少しだけ変える。

 
榊原さんは数歩だけ進み出て、先生の耳元に口を寄せる。
小声で、何かを告げる。

 
(……?)

 
わたしは何の話か分からず、ただその様子を見守っていた。


 

「……えー、マジで?」

 

先生が、あからさまに眉をひそめた。
まるで子供みたいに、心底イヤそうな顔。

 

「……この後、と嵐山行こうと思ってたのに……」

 

文句をこぼしながら、頭をぽりぽりと掻く。
その態度に、榊原さんが申し訳なさそうに口を開いた。

 

「申し訳ありません。来客中とお伝えしたのですが……」



先生は深いため息をついたあと、少し肩を落としてから、ぽつりと呟いた。

 

「……まあ、榊原さんのせいじゃないでしょ」

 

榊原さんは静かに頭を下げ、襖の向こうへと姿を消す。
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