第13章 「咲いて、散って、また咲いて**」
「昨日の……めちゃくちゃ可愛かった」
「……なっ」
耳の奥が熱くなる。
恥ずかしさで顔を伏せたまま、何も言えなくなる。
「……怖くなかった?」
問いかけられたその言葉に、
わたしは小さく、けれどはっきりと
首を横に振った。
先生の瞳が、すっと細められる。
にやりと、いたずらっぽく笑って。
「じゃあ……次は、もう少し中まで進もっか」
「~~~っ、あっ、朝から何言い出すんですかっ」
思わず声が裏返った。
あわてて距離を取ろうとしたそのとき――
お腹のあたりに、何か硬いものが当たった。
(……ん?)
目を見開いたわたしに、先生は心底楽しそうに笑いながら、けろっと言った。
「……昨日の、思い出したら――硬くなっちゃった」
「~~~っっ!!?」
反射的に先生の胸を手で押しのけ、
のけぞるように身を反らす。
「せ、先生の、バカ……っ!変態……!!」
「うん、限定の変態だからね、僕」
恥ずかしいことを平然と言う。
「……仕方ないじゃん。が可愛いのが悪いんだし」
そう言って、先生は背中に回した手を緩めない。
むしろ、さらに抱きしめる力が強くなった気さえした。
「……っ、やめ……っ、当てないで……っ」
わたしが真っ赤な顔で抗議しても、
先生の表情はどこまでも余裕に満ちている。
「当ててんの。早く慣れてもらおうと思って」
「そ、そういうの……っ、べ、別に慣れなくていいですから……っ!」
(……もう、また面白がってる……!)
そう思った次の瞬間――
先生の手が、浴衣の裾に触れたかと思うと、
するりと中へ滑り込んできた。
「ひゃっ……!? ちょ、ちょっと……!」
太ももを撫でるように這う指先。
その感触に、思わず身体がびくんと跳ねる。
「……ほら、だって反応してる」
意地悪そうに囁きながら、先生の指がまたそっと動く。
「……ちょ、ちょっと離れてください……誰か来たら……っ」
「んー、じゃあ、来る前に――いっぱい可愛い声、出そうか?」
「っ……や、だめ……っ」
わたしの抵抗より早く、指先が内ももをなぞるように動いた。