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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第13章 「咲いて、散って、また咲いて**」


***


静かになった部屋の中。
窓の外では、虫の声がかすかに聞こえていた。
夜はまだ、明けきっていない。
 

僕の腕の中で、が小さく寝息を立てている。
目元の赤みは、まだほんのりと残ったまま。


(……可愛すぎ)


さっきまで、何度も僕を呼んで、
泣きそうな声で僕にしがみついてきて――

 

「……」

 

そっと名前を呼んでも、返事はない。
安心しきったようなその寝顔が、妙に胸にくる。



『……先生が、したいって思ってくれるなら……』

『……わたしも、ちゃんと向き合いたいです……』



あのときの、震えた声。
潤んだ目。
不安も迷いもあったはずなのに、それでも僕をまっすぐ見つめてくれた。


きっと、怖かったと思う。
でも、それでも――僕を信じて、心を差し出してくれたんだ。


その気持ちが、たまらなく嬉しかった。


(……本当は、全部欲しかったけど)

 
抱き潰したい衝動がなかったとは言わない。
むしろ、ずっと――
抑えるのがやっとだった。


けど、彼女が震えるたび、躊躇うたび、
頭の奥で何かが叫んでた。

 

「……大事にしたい」って。



でも、少しやりすぎたかもしれない。


最初は、キスをして。
少し触れ合ったら、今日はもうやめようって思ってた。

 
ゆっくりでいい。
彼女が、少しずつ慣れていけるように。
焦らず、無理をさせずに。


……そう思ってたはずなのに。


けど、が可愛く鳴くたびに、
その声を聞くたびに、止まれなくなっていった。

 
もっと見たくなった。
もっと感じさせたくなった。
僕だけの声を、もっと引き出したくて――


……気づけば、入れる一歩手前だった。


初めて、僕の手で達したその瞬間。
胸の奥に、ぐちゃぐちゃになった感情が生まれた。

 
愛おしさと、興奮と、幸福と、
そして、どうしようもない独占欲。


あのときの顔が、今も焼き付いてる。
僕の手の中で震えて、潤んだ瞳で僕を見上げて――
先生と呼びながら、気持ちよくなってくれたあの瞬間。


声も、体温も、全部。
彼女の中は、確かに僕で満たされてた。
僕だけが、彼女をこんなふうにできる。
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