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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第13章 「咲いて、散って、また咲いて**」


抱きしめる腕の力が、ゆっくりと緩んでいく。


先生の手が、背中をなでるように動いた。
少しだけ熱がこもった掌が、わたしをなだめるように撫でてくる。

 

「……平気?」

 

小さく囁かれた声に、
ただ、こくんとうなずくしかできなかった。


わたしがうなずくのを見て、
先生は、そっと髪に手を差し入れてきた。


指先が、後ろ髪を優しくすくって――
そのまま、顔を近づけてくる。

 

「……」

 

静かに名前を呼ばれたあと、
唇が、ゆっくりと重ねられた。

 
柔らかくて、温かくて。
深くも強くもないのに、心の奥がふるえる。


唇が離れて、先生の瞳と目が合った瞬間――
気づけば、言葉がこぼれていた。

 

「……先生、好き……」

 

それは呟きのようで、
でも、自分でも驚くくらい、はっきりとした声だった。

 

先生の目が、ほんの一瞬だけ揺れて、
それから、優しく細められる。

 

「うん。僕も……が、好き」

 

たったそれだけなのに、
胸がぎゅっと詰まって、何も言えなくなる。

 
またそっと、唇が重ねられた。
今度はさっきより、すこしだけ長く。


体が沈み込む布団の中で、
先生の体温と、ぬくもりと、気持ちとが、
ひとつになって伝わってくる気がした。

 
目を閉じて、そのすべてを受け止める。
心も、身体も、優しく包まれたまま――


静かな夜に、そっと溶けていくようだった。
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