第13章 「咲いて、散って、また咲いて**」
「えー?……わかんないの?」
くすっと笑うその声が、
ますます恥ずかしくて、顔を上げられなかった。
(先生のいじわるっ……!)
けれど、身体は正直だった。
押し当てられている部分が、布越しでもじんわりと熱を持ちはじめていて、わたし自身がどんどん変になっていくのがわかった。
(やだ……奥の方が、じんじんしてきた)
逃げ出したいのに、背中を押さえる手が離してくれない。
押し当てられた彼の熱が、トントンと小さく当たる。
「……の中、入りたい」
低く、甘い声だった。
けれど、その言葉の意味はあまりに直接的で――
顔が一気に熱を帯びていく。
(……“中”って……それって……)
恥ずかしさと動揺が一気に押し寄せてくる。
体の芯がじんと熱くなって、息が浅くなる。
(……そんなこと、言われたら……っ)
心の奥が、強く揺れた。
どうしようもなく引き寄せられていく。
けれど――
(……まだ、こわい……っ)
手の先が冷たくなっているのが、自分でもわかる。
身体が、かすかに震える。
頭ではわかってる。
先生のことが好きで、大事で……
ちゃんと応えたいと思ってるのに――
けど、身体が追いついてくれない。
うまく言葉が出てこなかった。
そんな中――
先生の指が、わたしの腰に滑り込んでくる。
下着の端を、指先がつまんだのがわかった。
「……ま、待って……っ」
「それ以上は……っ、まだ……」
そう声にした、その瞬間だった。
するり、と。
下着が太ももまで下げられて、ひやりと空気が肌に触れた。
その直後。
脚の付け根に押し当てられた先生の熱が、
ぴたりと生々しく存在を主張してくる。
「っ……ひゃぁっ……!」
喉の奥から洩れた声に、
わたし自身がびくんと跳ねた。
けれどそのまま、先生の動きが止まる。
しばらく、押し当てたままの姿勢で――
ふうっと、小さく息を吐いた。
「……」
甘さよりも、熱を抑え込むような低さ。
「……今、抑えてるのが奇跡だよ」
わたしの頬に、濡れた額がそっと触れる。
まるで、最後の理性を保つためみたいに。