第13章 「咲いて、散って、また咲いて**」
「……もう少し、頑張れそう?」
耳元で囁かれた声は、あまりにも甘くて。
思わず、顔を上げてしまった。
「え……?」
そう言った瞬間。
先生の手が、わたしの腰に添えられて――
くるり、と。
気づいたら、体勢が変わっていた。
上半身は布団に沈んで、
でも、お尻だけが上がってる。
脚も少し開かされていて、
背中に感じる彼の気配が、すぐそこにある。
「えっ、ちょ、ちょっと先生……!? 何するんですか?」
思わず振り返ろうとすると、背中に影が落ちる。
先生が、覆いかぶさるように身体を重ねてきて――
(……え?)
下着のクロッチのあたり。
ぴたりと、何かが当たった。
布越しでもわかる。
固くて、熱を帯びたもの。
明らかに、自分のものじゃない感触。
「っ……」
思わず息を呑んだ。
(……まさか……)
(うそ……これって、もしかして――)
一拍、遅れて理解が追いついた瞬間、
頭の中が真っ白になる。
「っ……~~~っ!!」
顔が、一気に熱くなった。
頬だけじゃない。
耳の先まで、火がついたみたいに熱くなる。
目も開けられないまま、
ぎゅっと指先に力が入る。
そのときだった。
「これ、何かわかる?」
ぞくりとした。
耳にかかった吐息。
言葉の意味。
そして――
ぐ、と。
下半身に押し当てられていた熱が、
さっきよりも、ほんの少しだけ強く押し込まれる。
「……ぁ……っ!」
思わず、震える声が漏れる。
でも、それ以上は何も言えなかった。
(やだ……っ、何って……言えるわけない……!)
喉が詰まって、
言葉にならない。
ただ、頭をぶんぶんと振ることしかできなかった。