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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第12章 「極蓮の魔女」


バッグの中をごそごそと探り、スマホを取り出す。

画面を点けて、すぐに検索画面を開いた。



【初めて お泊まり 夜 どうする】



一瞬ためらうも、もう後には引けなかった。
けれど、表示された検索結果を見て――



“まずは落ち着いて話そう”

(……そ、それができたら苦労しないんですけど……)



”お泊まりは特別な夜。少し大胆でもOK”

(……い、いきなり!? だ、大胆って……な、何するの!?)


画面をスクロールする指が、だんだん震えてきた。
調べれば調べるほど、余計に混乱していくばかりだった。


画面をそっと伏せながら、顔を真っ赤にした。


(む、無理っ……私にはハードルが高すぎる……!)


頭を抱えかけた、そのとき――
廊下を歩く足音が聞こえてきた。


(――っ!!)


ぴたり、と動きが止まる。
心臓が跳ね上がる音が、耳の奥で反響する。


(先生、戻ってきた!?)


慌ててスマホを枕の下に滑り込ませる。


(ま、まずい、見られたら恥ずかしくて死ぬ……っ!!)


布団の上で正座しなおすと、なぜか背筋までしゃんと伸びてしまった。


(お、落ち着いて……いつも通りに……っ)


扉の向こう、足音が止まる気配がした。
そして、扉が開く音がした。


(ひゃああ……っ!)


反射的に顔を上げたその先には――


濡れた髪をタオルで拭いながら、片手には冷えたお茶のペットボトルを持った先生が立っていた。


淡い藍色の浴衣を、さらりと身にまとって。
襟元からのぞく鎖骨がやけに色っぽく見えて、目のやり場に困る――。



「おまたせー。冷たいの、もらってきた」

 

その笑顔が、あまりにも“普通”すぎて――
さっきまでの自分の落ち着きのなさが、
余計に浮き彫りになってしまった気がした。


先生の視線が、わたしの正座姿に止まった。
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