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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第1章 「邂逅 ― 目覚めの夜 ―」


──数日後、硝子は高専の会議室で報告を終える。

「呪力の残穢はゼロ。でも、確かに“術”を放った。しかも呪力とは異なる力」
「私の反転術式を拒んだの。……理屈が合わないわ」

夜蛾が眉をひそめ、冥冥は興味なさそうに目を伏せる。

「……異質ね」と、家入がぼそりと付け加える。「でも、“脅威”って感じはしなかった」

その時、ソファにもたれかかっていた五条悟が身を起こし、にやりと笑った。

「面白そうじゃん」

硝子がジト目を向ける。「真面目に聞いてた?」

「ちゃんと聞いてたよ。呪力じゃない力、呪力の残穢ゼロ、それでいて呪霊を祓った。 で、硝子の反転術式を拒絶。面白くないわけがない」

「だからって、遊び半分で近づくんじゃないわよ」

「わかってるって。……ただ、僕の“目”でも見ておきたいなってだけ。その子、高専に呼んでよ」

──その夜。

ヒトミは自室で制服のまま、机に伏せていた。

鏡を見れば、そこに映った自分の瞳が一瞬、淡い翠色に染まる。

「……“悠蓮(ゆうれん)”って、誰……?」

頬をそっとなでる夜風の中で、
その名だけが、胸の奥に引っかかったまま消えずに残った。

――すべての始まりは、あの夜だった。
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