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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第11章 「魔女はまだ、花の名を知らない」


「……なにしてんの、?」


「――っ!!??」



不意にかけられた声に、心臓が跳ね上がる。
慌ててスマホの画面を伏せて、振り返る。


そこには――


いつもの制服姿の先生が立っていた。
目隠しの奥から、不思議そうにこちらを見つめている。



「せ、先生っ……!? い、いや、えっと……べ、べつに……!」



思わず立ち上がって、手をバタバタさせる。
でも逆効果。
顔の熱が余計にこもって、頭まで真っ白になりそうだった。


(やばい、今の……見られてた!?)


「ん?」



先生は首をかしげて、ほんの少し近づいてくる。



「……でも今、魔導出してた?」

「……えっ?」



一瞬、頭が追いつかなかった。


先生の視線を追って、中庭の方を見る。
そこには、草の上に淡い光を帯びた白い花弁が――
いくつも、ふわりと舞っていた。


一瞬だけ空中に浮かんで、すっと消える。
また一枚、ひらりと落ちて、光になって溶けていく。


(わたし……今、力を……? ただスマホを見てただけなのに……)


戸惑いと、わけのわからない恥ずかしさで、胸がざわつく。



「なになに……中庭に花畑でも咲かせようとしてた?」

「え……?」



先生が笑いながら、私の隣まで歩いてくる。
黒い制服の袖が、すこしだけ手元をかすめた。
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