第10章 「花は焔に、焔は星に」
「じゃ――学長。このくだらない茶番も、終わりでいいですね」
肩を回しながら、軽く首を鳴らす。
そして、処刑台に向き直った。
「……さてと」
ゆっくりと階段をのぼり、縛めから解かれたの前に立つ。
「」
声をかけながら、右手をそっと差し出す。
「やったねっ」
そして笑いながら、ハイタッチの構えを見せた。
……けれど。
の膝が、くにゃりと崩れた。
「――っ」
咄嗟に五条がその身体を支える。
「おっと」
腕の中で、が小さく震えていた。
「……せんせい……」
「……私……ここにいていいんですか?」
小さく震える声が、五条の胸元に滲む。
その問いに、五条はほんの少しだけ笑った。
「――当たり前でしょ?」
「の居場所は……ずっと、ここだよ。みんな、ちゃんと、待ってた」
それは、にとっては何よりも温かく、確かな言葉だった。
はそっと顔を上げ、あたりを見渡した。