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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第10章 「花は焔に、焔は星に」


『あなた、こういう不思議な体験……今までにもあった?』



そう硝子が尋ねたのは、あの夜,子供を助けたときだった。


『はっきりとは覚えてないけど……昔、火事の時に……
私の周りだけ、燃えてなくて……』






ぽつりと呟いた自分の声が、まるで昨日のことのように甦る。




「……! 学校で、火事があった時の……」



は現実に戻りながら、小さく口を開いた。


五条は、にっと笑って指を立てた。



「そっ、それ!」

「硝子がちゃんと記録に残してくれてて助かったよ。ほんと感謝感激」

「で、僕、閃いちゃったんだよね。、火炙りにしても燃えないんじゃないかって」

「……そ、それだけで?」



呆れ混じりの声に、五条は肩を竦めてあっけらかんと続ける。



「いやいや、もちろん半信半疑だったよ? あの時みたいにまた守ってくれる保証なんてなかったしさ〜」



Vサインを作って、明るく笑う。



「、黒焦げにならなくてよかった。いぇーい☆」



その無責任なテンションに、は力が抜けたように苦笑した。



「はは……」


(……もう、なんなんですか……この人……)





その時だった。



「五条……説明しろッ!」



怒声のような声が、場の静寂を破った。
処刑台の下から、楽巌寺が鋭く五条を睨みつける。


五条は視線だけをそちらへ向ける。



「……おそらく、悠蓮の魔導がを守ったんだろうね」

「……やはり……異端の魂……この世に存在してはならぬ」



楽巌寺が吐き捨てるように言い放つ。



「ならば――別の方法で、処刑を執行するまでだ」



その言葉に、五条はふっと鼻で笑った。
そして静かに、だが鋭く告げる。



「……まだ気づかないの? おじいちゃん」

「なに?」



五条はゆっくりと、処刑台の階段を降りながら語り出す。



「禁術系譜書には、悠蓮は“火炙り”で処刑されたとわざわざ記されてる」

「……僕、ずっと引っかかってたんだよね」

「悠蓮のいた時代を考えても、火炙りなんて、そうそう選ばれる方法じゃない。なのに、なぜか?」



その問いに、処刑台の下から、楽巌寺が答えた。
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