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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第8章 「この夜だけは、嘘をついて」


灯りの下に現れたのは――





一瞬、心臓が跳ねた。
さっきまで思いっきりのことで妄想してたんだから、こっちはもう心の準備がゼロだ。



「えっと……仕事中でしたか?」



少しおずおずと、こちらを見る。


五条は一拍置いて、あえて軽く息を吐くように笑った。



「いや、ちょうど休憩しようとしてたとこ」



言いながら、椅子の背にもたれて腕を伸ばす。
けれど、その動作にはどこか落ち着きのなさが滲んでいた。



「どしたの? こんな時間に」

「……が来るなんて珍しいねぇ」



にやりと笑いながら、椅子の背にもたれ直す。



「さては、僕に会いたくなっちゃった?」



軽口のつもりだった。
けど、の動きが、一瞬止まる。


視線が少し揺れて――頬が、わずかに染まっていくのがわかった。



「……はい」



小さな声。
でも、はっきりと聞こえた。


(……え、マジ?)


冗談のつもりだったこっちが、逆に固まる。


はすぐに目を伏せて、付け加えるように口を開く。



「……その、ちょっとだけ。先生の声……聞きたくなって」


(ちょ、ちょっと待って。
何その可愛さ。今日の、強いぞ……?)


完全に油断してた。
さっきまで“早く抱きしめて、キスしたい”とか考えてたくせに、この展開は想定外。



「……そっか」



それしか言えなかった。
でも、その声が思ったよりも低く、喉の奥が少し鳴っていたのは、自分でも気づいてた。


の顔が少し上がって、こっちを見る。
その目――ちゃんと、まっすぐだった。


(……ダメだ、我慢とか僕に向いてない)


「とりあえず、座りなよ。なんか飲む?」



精一杯、いつもの調子を装いながらソファを指差す。


は小さく頷き、
「失礼します」といつもの丁寧な声で部屋に入ってくる。


肩の力を抜くように腕を伸ばして立ち上がり、書棚脇の小さな湯沸かしポットに手をかける。



「何がいい? コーヒー、紅茶、あとは……ココア?」

「……紅茶でお願いします」



カップを取り出しながら、平然を装う。
でも内心――
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