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【HQ】稲高女バレマネージャー争奪戦

第1章 平穏が終わった日




「ええー、どないする?」
「どうもこうも話すしかないやろ」
「めんっど…角名代わりに言うてや」
「嫌だ。付いてきてって言ったの侑じゃん、俺は付き添いだから」
「こっの薄情もん…!」
「ねぇ早くしてくれない?まだ弁当残ってるんだけど」
「なんやねんみんなして!当たり強いわぁ傷つくぅ」


普段女子が騒ぎ立てているイケメン顔をしわくちゃに歪める侑くん。こんな顔すらもカワイイとおっしゃるのだろうか。


「あー……お前、幸村立華であっとる?」
「そうだけど」
「女バレのマネやんな?」
「だからどうしたの」
「伝えたいことあってな。あ、勘違いせんといてや、あんたのこと好きとかそういうんちゃうからな、断じてちゃうで?」
「わかってるから早くしてってば。まだ腹八分目なの」


弁当の蓋、開けっ放しにして来ちゃったし早くしないとご飯もおかずも乾いてしまう。
せっかくの美味しい弁当が台無しだ。蓋を閉じなかった私も悪いけど用件をさっさと言ってほしいものだ。

イライラを隠すことはせず腕を組んで片足に体重を預ける。そんな私の様子に侑くんは今度は嫌そうに顔を引き攣らせて、ようやく意を決したのか口を開いた。


「俺らの主将がな、あんたをご所望やねん」
「……え、っと、つまり?」
「そのまんまの意味や、北さんがあんたをご所望ってこと」
「任侠映画みたいな言い方しないでくれる?ちゃんと言って」
「あ゙〜も〜!せやからちょいとお時間よろしいか姉ちゃんって言っとんねん!」
「だから任侠やめてって。あと意味わかんない」


Hey,Siri! ご所望 とは?


「言ってることめちゃくちゃじゃんウケる」
「私もわかんないよ誰か教えて」
「片割れがアホですまん」
「ほんならお前が言えやクソサム!!」


誰が誰をほしいって?俺らの主将、つまり男バレの主将さんが私を?なぜ?


「通訳求む。治くんか角名くん」
「侑外された(笑)」
「アチャ!」
「あー、まあなんやろ、北さんがあんたのこと気に入ってしもてな。引き抜きみたいな感じのこと言いたかってん」
「…私、男バレの主将さんと面識ないはずなんだけど」


男女別と言えど同じバレー部。主将や部員同士なら面識や関わりがあるかもしれないけど、私は女バレのマネージャーだ。男バレの主将さんと関わった記憶は微塵もない…はず。

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