第1章 ■ひとつになる(R15)
ランダルは大の字で寝転んだまま、
腹の中をぐちゃぐちゃにされながら、嬉しそうに語りはじめる。
「焼いたら、ぷるぷるしてて、ちょっと甘かったの。
噛んだら、血がぶわって広がって、
舌がしびれるくらい、あったかかったんだよ」
私が指先で彼の内臓をなぞると、
ランダルはくすぐったそうに身を震わせた。
「心臓も食べたよ。
ちっちゃいやつ。
ナイフで切ったら、コツンって跳ねたの。
すっごくかたくて、おもしろかった」
にこにこと笑いながら、
ランダルは目を細めて、夢でも見ているような顔をする。
「腸は……ちょっと臭かった。
でもちゃんと洗ったら、もちもちしてて、
噛むとキュって、音がしたんだよ」
ぐちゃぐちゃにされながらも、無邪気にしゃべり続けるランダル。
自分の体のことなんて、まるで気にも留めていない。
「ふふっ。
ねえ、私の中身も、ああいうふうに食べたら……どんな味、するんだろうね」
そう言ったあと、ランダルは少しだけ考えるように目を細め、
嬉しそうに笑った。
「……になら、ちょっとだけ、あげてもいいよ?」
まるで秘密を打ち明けるみたいに、そっと。