第8章 副隊長、別れてください
「はぁ…はぁ…すまん、イかせてもうた…腹は…。」
「ん、だい…「何してるんですか!こんなところで!」へ…。」
あ、このちゃん…。
そうだ、扉開けたままだった。
このちゃんにごめんと謝るともうっ!と言いながら顔を真っ赤にして怒っている。
相手がこのちゃんだからだろうか、あまり恥ずかしいとも思わないし焦ることもない。
いや、もちろん恥ずかしいのは恥ずかしいけども。
私から離れた宗四郎はこのちゃんの方に向かっていく。
「ごめんて、小此木ちゃん。ほんで、なんの用や?」
これを…と言いながらこのちゃんは何かの書類を手渡した。
「まじか…仕事増えた……凉とイチャイチャしよう思ったんにっ!」
宗四郎はこのちゃんにありがとうと言いながら自身の席に戻り、またパソコンを開いた。
それを見たこのちゃんはよろしくお願いしますと言って帰っていった。
彼に近寄り私もやろうか?と声をかける。
「ん、大丈夫や、すぐ終わる。」
一度机から離れ私のお腹に腕を回し自身の膝の上に座らせ、そのままパソコンに向き直る。
え、私邪魔じゃない?
彼は気にせずタイピングを続ける。
ここに座らせるということは見てもいいのだと思い、書類をチラッと見てパソコンの画面を見た。
試験の時に現れた怪獣のことのようだ。
キコルちゃんの証言を元に作成されている。
すぐ終わると言っていた通り彼は素早く作業を終わらせパソコンを閉じると、私のお腹に手を回し帰ろと耳元で囁く。
頷きながら立ち上がると彼も立ち上がったので、その肩に貸してくれたジャージをお礼を言いながら掛けた。
「帰ったらいっぱい労わったる。めっちゃ顔色悪い。」
両手で頬を包み込まれ撫でられたので、気持ちよくて目を細めた。
額に口付けるとはよ準備しよと手を離される。
その言葉に従いすぐに準備をして基地を後にした。