第8章 副隊長、別れてください
僕からも一つ報告がありますと宗四郎が口を開く。
「僕らから、ですね…彼女、夏目補佐官とは真剣な交際をさせて頂いてます。結婚も視野に…。」
けっ、こん…!?
いやまあ、前に少し言われたけど…。
「数年前からそうだと思っていたが…。」
「付き合い始めたのは数ヶ月前からですね。」
宗四郎の少し後ろで視線を泳がせながら、顔に熱を集めていく。
そんな私に気付いた彼女はよかったなと微笑んだ。
どうして私!?
いや、ただ単に祝福の言葉をかけてくれただけか?
すぐに頭を下げた。
どうやら隊長は私が一目惚れしたことを知っていたらしい。
私ですら気付いていなかったのにどうして…。
隊長室を後にして廊下を歩いていると突然手を引かれて顔を見られる。
「言うたやろ?すぐ呼ばれるて……ちゅーか、その顔なんやねん!真っ赤すぎとちゃう?可愛ええなぁ、ほんまに好きや。」
繋いでいた手は離され腰に手を回されると彼との距離は0になり、髪にキスを落とされる。
誰に見られているかもわからないのになんてことを…。
「いろんなことしとるのにそんな初心な反応されると…えっろいちゅーしたなるやろ?犯したなるわ。」
「っ…ん、やめ…。」
耳元で甘ったるいのに低い声で厭らしい言葉を囁かれれば、反応して一瞬腰の力が抜けた。
支えられているので体勢を崩すことはなかったが。