第8章 副隊長、別れてください
次の日出勤して少しすると亜白隊長に呼ばれた為、何故か宗四郎も一緒に隊長室へ向かう。
「なんで宗四郎も?」
「副隊長やからな。」
よくわからない解答に首を傾げる。
答えてくれそうもないので、そのまま彼の背中を追いかけた。
「夏目凉、お前を正式に補佐官に任ずる。」
隊長室についてすぐそんな言葉を亜白隊長から承った。
主に副隊長の補佐をし、たまに隊長の補佐もして欲しいと頼まれた。
「了!ですが…私は試験の時、何も出来ませんでした…私でよろしいんでしょうか?」
「それもずっと保科の補佐をしてくれていたからだろう?保科からお前の働きは聞いている。だからこそ、君に頼みたい。」
手続き等は宗四郎に頼んでいるらしく、わからないことは彼に聞いてくれと凛々しく笑う彼女に目が奪われる。
本当にこの方は、かっこよくて綺麗な方だ。
「保科副隊長と共に、撃ち抜くことしか出来ない私の道を切り開いてくれ。」
その言葉に大きく頷いてありがとうございますと頭を下げる。
嬉しい…私も彼と同じように、隊員としても女性としても憧れる彼女の為に、力を振るう事が出来る。
今までもそうしてきたけど、直接言って頂けたことが嬉しくて堪らなかった。