第7章 副隊長、一目惚れしてました
その後どのくらいか話していると通信機から宗四郎の声が聞こえ、遅いと怒られてしまった。
「凉、好きや。少しでも君と離れとると、恋しくなってまう。」
「っ……すぅー、ふぅ……今、戻るから…。」
いきなり甘ったるい声で甘い言葉を吐かれて危なかった…。
今まで離れていた時はどうしてたんだ。
2人にそろそろ戻ると伝え日比野さんにお大事にと言ってから病室を出ていく。
そのまま廊下を歩いているとレノくんに呼び止められ、腕を引かれて廊下の角まで連れてこられた。
力は加減してくれたようだ。
「凉さん、俺…子供の頃からあなたが好きなんです。」
え、子供の頃って何年前のことを言ってるの…。
「あ、あの…気持ちは嬉しい。けど、私は宗四郎が好きだから…ごめんなさい。ちょっ!?やめ…。」
いきなり抱きしめられ引き剥がそうとしても離れてくれない。
「俺を見てください。俺の方が凉さんを想ってます。」
耳元で囁かれて鳥肌が立つ。
怖い、嫌だ…。
私の身体を押さえたままジャージとインナーの襟を捲り、ぢゅっと吸いついてきた。
私、今何されてる…?
「離しなさい。一方的に気持ちを押し付けないで。宗四郎は私が本当に嫌がってることはしないよ。もう少し大人になりなさい。」
レノくんは私の背中の服をぎゅっと握って離し、すみませんと謝る。
それを見てすぐに駆け出した。
吸われた首を洗い、副隊長室を目指す。
どうしてあんなことするの?ちゃんと断ったのに…。