第7章 副隊長、一目惚れしてました
「いや、彼女か。」
つい心の声が漏れてしまった。
日比野カフカはすぐに敬礼してくれて、レノくんも敬礼をしてくれたのだが、片手にナイフを持ったまま笑顔で名前を呼びながら駆け寄ってくる。
せめてナイフを置いてくれ…。
「凉さん!本当に副隊長と付き合ってるんですか!?」
いきなりそれ?
頷くと何でですかと食い下がってくる。
肩を掴んでいる手が痛い。
なんでそんな力を入れるの…。
離してと言うが聞いていない。
「痛いって。そんな力入れないで。」
謝りながら離してくれたが、レノくんってこんなんだったっけ?
彼の横を通り過ぎて日比野カフカに声をかける。
「日比野さん、大事にならなくてよかったです。試験、お疲れ様でした。」
「そんな、俺なんかに…ありがとうございます!」
笑顔をかければ目線が外されて、なんとなく耳が赤い気がする。
いきなり可愛いですねと言われて、今度は私の顔が熱くなり赤くなっているだろう。
「それ、副隊長の前では言わないようにね。でも、ありがとうございます。」
聞きたいことがあって来たんだけど…と本題に入る。
キコルちゃんと同じように答えたくなければ答えなくていいと伝え、怪獣8号と関係があるのかと単刀直入に聞く。
日比野さんと椅子に戻ったレノくんがわかりやすく肩を跳ねさせる。
だが、口を開くことはなかった。
「よし、この話は終わり!ありがとう!」