第7章 副隊長、一目惚れしてました
どうしたんですかと言う彼女に少し話しを聞きたくて…と医療班の方に2人きりにしてもらえるか聞く。
どうやら、ある程度の処置は終わったらしく、少しだけならといなくなってくれた。
友達やその辺にいる他人だと思って欲しいと伝え彼女の目を見る。
「あの場に、キコルちゃんや怪獣の他に誰かいた?答えても答えなくてもいい、嘘をついてもいい。私はあなたが言ったことを信じるし、それ以上は聞かない。誰にも言わない。」
「っ!?……すみません、日比野カフカや市川レノに聞いてください。私は何も答えられません。」
「そっか、ありがとう!」
あの2人が関係あるのか…。
ちょうどいい、これから行くから。
彼女にお大事にと伝え病室を出て、今度は日比野カフカの病室に向かう。
彼はただの骨折の為、一般の方にいるはずだ。
それにしても、日比野カフカがいるところから結構離れているのに、レノくんはどうしてこちらにいたのだろう。
キコルちゃん?
いや、彼が会えるとは思えない。
確か彼女は今、限られた人物しか会えないはずだ。
いくら考えてもわからないので考えるのをやめて、日比野カフカの病室への廊下を進む。
途中で一応、舐められた腕を洗った。
別に洗わなくてもいいんだけど…。
病室の扉が開けられていたので声をかけながら中に入ると、リンゴの皮を剥いているレノくんとそれを食べる日比野カフカの姿があった。