第6章 副隊長、選別試験です
私の頭を撫でた彼は立ち上がってするりと私の腕から抜け出すとテーブルの上を片付けて、寝室に行こうと手を引く。
「めっちゃ疲れとるやろ、マッサージしたる。」
「え、寝ちゃうかも…先にシャワー…。」
「起きて、熱が下がっとったらな。」
はい…と頷きベッドに横になるが先に着替えろと言われたので起き上がり、彼のスウェットを着せられる。
ブカブカなんだけど…。
「あ、関節とか痛ない?痛いならマッサージやめるけど…。」
大丈夫と答えると私の腰に跨り、あまり体重をかけないようにしながら背中に手を這わせる。
ちょうどいい強さで押されて気持ちいい。
「んぅ…んっ……そこ、あ…。」
「感じてるやん。」
違うと言いながら声が漏れる。
ダメだ、気持ちよすぎて寝そう…。
背中からお尻を撫でながら太腿を押される。
もう無理……。
目が覚めるとど真ん中で寝ている私を動かさずに端っこで縮こまって寝ている彼に気付く。
落ちちゃう…。
手を伸ばして引き寄せようと触れたら、服を着ていなくて驚いた。
シャワーを浴びてそのまま寝たんだろうか。
そっと身体を引き寄せると、私に背を向けていた身体は仰向けになる。
これ以上は無理か。
もう少しこっちに寄せたいが、これ以上したら起きてしまうかもしれないし、私じゃもう無理だろう。
すると、いきなり私の方を向いて抱きついてきた。
起こしてしまったかと思い、静かに名前を呼んでみたが反応はないので安心する。
シャワー浴びたかったけど、いいか。
そのまま彼の腕の中でまた目を閉じた。