第6章 副隊長、選別試験です
目を開けると白い天井が目に入る。
ここは…と思い、周りを見ようと横を向くと、書類を手にしたまま腕を組み、コクコクと船を漕ぐ宗四郎の姿を捉えた。
今、何時なんだろう。
腕に違和感を感じ見てみると、止血用の絆創膏が貼られていた。
点滴でもしたんだろうか。
もししていたのなら、終わっているから相当遅い時間だろう。
「宗四郎?起きて…。」
身体を起こし彼の肩を軽く揺する。
「ん…やっと起きたんか。今何時や?」
目を覚ました彼はポケットからスマホを取り出し時間を確認する。
どうやら22時を過ぎているようで、すぐ帰ろうと言われる。
手を引かれ歩きながら彼に謝る。
「ほんまやで、あの後大変やったんからな?怪獣たちは生き返るし、生き返った本獣は3ヶ月前と同じような倒され方しとったし…計測器がイカれたんやと思うけど、フォルティチュード9.8は出るし…。」
怪獣が生き返る?
フォルティチュード9.8?
相当やばい状況なってない?
そんな時に地面に寝てたなんて…申し訳なさすぎて顔が上げられない。
「めっちゃ心配した。怪我してへんかなとか、まさか怪獣にやられたんちゃうかなとか…次からはあんま無理せんでくれ。」
心臓何個あっても足りんわと手をグッと引かれて抱きしめられる。
「心配かけて、ごめんなさい…。」
「ん、もうええ。無事やったからもうええ。」
頬に手を添えられて優しく唇が重なる。
副隊長室の中でよかった。
というか、これって移らないんだろうか。
はよ帰ろと笑った彼に安心する。
ずっと眉間に皺を寄せていたから…。