第6章 副隊長、選別試験です
彼は笑いながら受験者たちの元へ行く。
「凉ちゃん、そろそろ落ち着いて…。」
「ごめっ、ふふっ…だって、宗四郎が、ははっ……私、今なんて言った!?」
つい名前で呼んでしまい焦る。
みんなわかってるからとこのちゃんに呆れられる。
わかってるの!?なんで!?
私、今までみんなの前では名前で呼んだことはないし、付き合ってないと言っていた。
顔あっつ…。
なんとか笑いは治まったが今度は恥ずかしくなって、俯いた顔を上げられない。
亜白隊長と戻ってきた彼は私の背中に手を置く。
「どしたん?やっぱ体調悪いんやろ。」
「こ、これは、違う…。」
「凉ちゃんさっき、副隊長のこと名前で呼んでましたよ。」
このちゃん!?
なんで言っちゃうかなあ!?
宗四郎がふーん?と顔を覗き込んでくる。
見ないでと頬を押し返して顔を上げた。
審査に挑む受験者たちを見る。
「私ちょっと、日比野カフカを見てきていいですか?」
0%の彼が心配になった。
ライフルすらまともに持てていない。
「あかん。ええから、ここにいろ。立っとるだけでええ言うたやろ。」
「……了。」
腕を掴まれて止められる。
命令ならば仕方ない、大人しくモニターを見た。