第6章 副隊長、選別試験です
どうしよう…鎮痛剤効いてない。
頭がガンガンして痛いしボーッとする。
痛みに耐えながら大画面のモニターに映る、スーツに着替える受験者たちを見る。
全て宗四郎が説明してくれている。
私、補佐をしなきゃなのに…。
装着完了した者からオペレーターのリーダーこのちゃん…小此木このみが解放戦力を測定していく。
この子とは同期で仲がいい。
レノくんは8%か。
何人か10%超えで四ノ宮長官の娘、四ノ宮キコルはなんと、46%だ。
まだ入隊もしていないのに、すでに小隊長クラスとは…。
すぐに追い越されてしまいそうだ。
私は一応、ここの基地のNo.3なのだが、小隊長にはならずに副隊長の元で補佐をしている。
何故なら私が一番、副隊長の彼と連携が取りやすいからだ。
彼の一番近くにいたのは私で、彼のことを一番わかっているからと…。
それと、私の得意な分野が近接だからという理由もある。もちろん、銃器も扱える。
なので、専用武器は銃剣なのだ。
あとはまあ…第6から引き抜かれてすぐに頭角を現し出した彼に不満を持つ者もいたからだろう。
さすがにもう、今はいないようだが…。
彼の努力も知らないで不満を言う奴の気が知れない。
「日比野カフカ、解放戦力0%…!」
このちゃんの声が響いた。
え、0?あの人だよね?レノくんと一緒にいた…。
「えぇえ!?何あいつ、0出たやん!くふふっ!」
そんな笑う?
笑い続ける宗四郎を引いた目で見つめる。
「もう少し時間ください!今、気張ってるんで!!」
「ぷっ…!」
おっと、つい私も吹き出してしまった。
さすがに顔を真っ赤にして気張られては笑ってしまう。
頭に響く…。
「あはははっ、ひっ…うんこちゃうから、ははっ!気張っても出んてや!あはははっ!」
ちょ、笑いすぎ…つられる…。
お腹を抱えて笑い出した彼はどうやら、日比野カフカを気に入ったようだ。
「ふふふっ、そんな笑わないで…あははっ、つられる、くふふっ!」
笑いを抑えようとしてもどうしてもつられてしまい、頭が痛い…このちゃんにも怒られるし…。