第5章 副隊長、好きです
彼は膣に負担をかけないように優しく私を抱き上げて、そのまま寝室に向かっていく。
「君が積極的なったら僕が骨抜きにされてまう!やから、えろいことする時は僕が主導権握るわ!!」
プンプンしながら私をベッドに降ろすとほんま腹立つわと言いながら、布団を掛けて私の隣に横になる。
え…私、本当に怒らせた?
そこまで怒らなくても…。
胸が少しモヤッとする。
機嫌が悪くなった彼に不安になる…嫌いにならないで…。
ごめんなさい、嫌いにならないでと泣きつく。泣いてないけど。
「……そうやない、君が悪いんとちゃう。僕がえろいこと全部教えたかった…やのに君はもう、他の男に教え込まれとる。あの時……殺してやりたかった。」
君がいたから抑えたけど…と私の胸に手の甲を触れさせながら、ギュウっと拳を握り締める。
嫉妬…と言うにはあまりにも強すぎる想いで、憤怒と言った方が近いだろう。
怒りに震える彼の身体を抱きしめた。
「ありがとう。助けてくれたし、こんなに怒ってくれて……本当に大好き。」
次第に震えが治まっていき、握っていた手は平をこちらに向け、心臓があるところを優しく撫で始める。
「気持ちいいことも、こんなに誰かを好きになる幸せも、優しい愛を与えられる幸せも…教えてくれたのは全部あなた。」
「ドキドキしとる…なぁ、あいつにもこんな風にドキドキしたんか?ちんこ触ったりするんも、僕にするように自分からしたい思てしたことあるんか?……なぁ、僕だけやんな?」
するわけない、宗四郎だけと答えながら背中を撫でた。
「男の人を好きになったのも、宗四郎が初めてだもん。」
嬉しそうに笑い出した彼の声を聞いて、ゆっくり手を離して見つめ合う。
笑いながら口付けてきて、すぐに離れた唇は言葉を紡ぐ。
「僕も、こんな好きになったんは君が初めてや。どうしても手に入れたい思うたんは、君だけなんや。」
彼が紡ぐ愛の言葉一つ一つに私の胸は高鳴るばかり。
この酷く甘い声も、優しく笑うこの顔も、愛しそうに細めるこの瞳も…何もかも私のものでいて欲しい。
その、心さえも…誰にも取られたくない。
だから…ギュッと抱きしめて眠った。