第3章 副隊長、飲みましょう
手を離して中に入っていく。
遅いと言われて中之島小隊長に手を引かれた。
あの時お前あそこにいたろと言われ首を傾げる。
「副隊長と何してたんだ?」
っ!私がいること知ってたんだ…。
「なっ、ナニモシテナイデスヨ…。」
なんでカタコトなるんだ私…。
中之島小隊長に絶対何かしてただろと笑われた。
そのままそこで少し飲んでいると中之島小隊長は離れ、他の男性隊員が近付いてきた。
副隊長と付き合ってるのか聞かれた為、全力で首を横に振った。
なら…と腰に手を回され抜けようと言われる。
なんで、副隊長が言ったことが本当に起こるんだ…。
ちらっと副隊長の方に視線を向けると、めちゃくちゃ見られていた。
やめてくれと男性隊員を引き剥がそうとするが、全然離れてくれない。
それどころか、腰に回った手がだんだん上に上がってくる。
やだ…副隊長以外に触られたくない。
副隊長に触れられたらすぐ身体が熱くなるのに、今は冷えきって思うように動かない。
お酒飲んでるのにどうして冷えてるの…。
副隊長に視線を向けて助けてと念じるが、彼はただ私を見てるだけで動こうとしてくれない。
少し距離が離れている為、声をかけることも出来ない。
「た……副隊長っ!!ちょっといいですか!」
助けてと叫んだらみんなに変だと思われるので、彼を呼んでこの人から離してもらおう。
彼はゆっくりと立ち上がって近付いてくる。
「た、たす…。」
副隊長は私の肩を抱いて私の腰に回された手を掴んだ。
「勝手に触っとんちゃうぞ。この子は僕のやねん。」
私たちにしか聞こえないような小さい声で低く囁き、男性隊員を睨む。
男性隊員はすぐに私から離れていった。