第2章 副隊長、触らないでください
家についてシャワーを浴びるよう言うと、一緒に浴びようと言われたので断固拒否した。
彼がシャワーを浴びている間にご飯の準備をしようと思い、キッチンに立って冷蔵庫を見ながら何を作ろうか考える。
副隊長を家の中に入れてしまった…。
これって…抱いてもいいって言ってるようなもん?
いやでも、さすがにそこまでさせるつもりはない。
お酒飲むかな?そしたらおつまみ作るんだけど…。
いや、私は何を考えてる、飲んだらそれこそ、どうなるかわからない。
あ、挽き肉使わなきゃ…。
冷蔵庫を眺めながらいろんなことを考えてしまい、とりあえず材料を取り出し閉めた。
ハンバーグでいいか…玉ねぎを刻んで卵やパン粉、調味料等を挽き肉と混ぜていく。
足りるといいけど…。
焼くだけにして冷蔵庫に入れ炊飯器のスイッチを入れてから、空いた浴室に向かう。
軽く髪を乾かしてからヘアクリップで緩く纏めて、ハンバーグを焼いてからテーブルに運ぶ。
「え、僕のも作ってくれたん?凉の手料理や〜。」
嬉しそうに笑いながら箸を持つ。
「まだ食べてないんですよね?遅くなったのでそんな手の込んだものを作れませんでしたけど…。」
「まだ!ハンバーグなんて十分手ぇ込んでへん?ありがとう!」
これで手が込んでると言ってくれるのか…きっとこの人と結婚する人は幸せなんだろうなと思う。
なんでもニコニコしながら食べてくれそう…。
美味い美味いと食べてくれる彼に思わず、そんな美味しい?とタメ口で聞いてしまった。
「凉の愛情たっぷりハンバーグや、美味くないわけあらへんやろ。」
「は?愛情たっぷりではないけど…。」
上官に対しての態度ではなくなってしまった。
そして何故か彼は嬉しそう…。