第11章 ポリジュース薬の完成
最後に開いたのは、リーマスからの贈り物だった。
そっと包みを開くと、中には手縫いのブックカバーが入っていた。深い赤色の布に、色とりどりの刺繍がほどこされている。
裏返すと、角のあたりに小さくチユの名前が刺繍されていた。
(これ……リーマスが、縫ったの?)
そっと指で布をなぞると、ところどころ糸の縫い目がいびつで、不器用さが愛しく思える。
そして添えられていたカードには、彼の穏やかな筆跡でこう書かれていた。
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親愛なるチユへ。
今年は一緒に過ごせないけれど、君が元気で楽しいクリスマスを過ごしていると信じています。
君のいる場所が、いつでも君の家だよ。ホグワーツで、優しい仲間たちと笑えているなら、私はそれだけで十分嬉しい。
それでも、体調には気をつけて。夜更かしはほどほどに。あと、甘いものの食べすぎも――ね。
君の成長を心から誇りに思っているよ。
リーマス・J・ルーピン
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チユは手紙を胸に抱え、静かに微笑んだ。
ベッドのそばの棚に、モリーおばさん、ゼロのカードと並べて飾った。
外は、まだしんしんと雪が降っている。
けれど、部屋の中はぽかぽかと、あたたかかった。