第11章 ポリジュース薬の完成
次に開けたのは、ハーマイオニーからの贈り物。
それは繊細な銀色の軸に、淡い紫の模様が浮かぶ美しい羽根ペンだった。触れると、羽がふわりと揺れる。
「これで宿題も少しは楽しくなるかも…?」と、チユは笑った。
ロンからの包みは、予想どおり――いや、想像以上だった。
どっさりと詰め込まれた百味ビーンズ。
「これ、1年分はあるな……」
思わず笑いながら、チユはそっと包み直した。
ハリーからの贈り物は、少し重かった。
開けてみると、マグルのミステリー小説集が出てきた。
表紙には『名探偵ハービー・事件簿。第1巻』とある。
「おもしろそう……夜読んだら、ちょっと怖いかも」
小さな栞が挟まっていて、ハリーの走り書きが添えられていた。
『チユ、たまには魔法のない世界の“トリック”も、いいと思うよ! ―ハリー』
次に手に取ったのは、ゼロからの包みだった。
丁寧に結ばれた黒いリボンと、シンプルな銀の便箋。
中には、ガラス細工のペンダントが入っていた。ペンダントの中には、小さな羽のようなモチーフが浮かんでいる。
触れると、淡い光がぽうっと灯る。
同封されたメッセージカードには、こうあった。
『この羽が君を少しでも守ってくれるように、願いを込めて贈ります。』
チユは、ほんのすこしだけ顔を赤らめて、それを大切に箱に戻した。