第8章 血文字の警告
「でも今日さ、グレインのこと、後継者かもしれないって言ってる子がいたよ。グレイン家って代々スリザリンだし、あの顔つき……アレは怪しいって」
「ゼロが?いやいや、ないない!」
チユはすぐに首を振った。
「ゼロ、あんまり部屋のこと詳しくは知らなかったし、そもそも彼、スリザリン生じゃないもん。ね?」
「確かに……」
ハリーは少し眉を寄せながらも納得したように頷く。
「やっぱりマルフォイだよ!」
ロンが宿題を放り出して言った。
「いいか? あいつらの家系なら、何世紀も“秘密の部屋”の鍵を親から子へとコソコソ伝えてきたって不思議じゃないんだぞ」
「そうね」
ハーマイオニーは慎重に言葉を選びながら頷いた。
「その可能性はあると思うわ」
「でも、どうやって証明するの? あなたが継承者ですか?なんて聞き出せるわけないし」
ハリーが難しい顔をしたまま、静かに聞いた。
「方法があるわ」
ハーマイオニーはぽつりと答えた。
そして声をひそめ、部屋の向こうで監督生バッジをピカピカ光らせているパーシーを盗み見る。
「もちろん、超難しいし、超危険。しかも、学校の規則をざっと50個は破ることになると思う」
「50って……それ、もう退学コースだよ……」
チユがつぶやくと、ロンが思わず机をバンと叩いた。
「だったら、もう1か月ぐらいして、ハーマイオニー様が説明して差し上げてもよろしい気分になられたときに、我々にご連絡をくださいませ!」ロンはイライラしていた。
「“承知いたしました”って言えば満足?」
ハーマイオニーがピシャリと言い返す。
「2人とも落ち着いて!」
チユが慌てて手をぱたぱたと振った。