第3章 カカシ②
………やばい…。でも耐えろ、耐えろ…俺。
俺は思っていることを悟られないように平然を装い彼女の名前を呼んだ。
柚希さんは俺の顔を見た瞬間目を見開いて、そのあと急に涙を流し始めた。
「ええっ?!どっ、どうしたの??」
………なんでだ…、なんで彼女は泣き始めたんだ…?わからない。
悲しいことでもあったのか?それとも辛いことでもあったのか?
そうだろう、わざわざ俺のところに来るくらいだ。
彼女が辛い時に俺ってやつは何を考えてたんだ…。
先ほどまでの胸のドキドキは反対に嫌な音をたてていく。
その間も柚希さんは涙を流している。
「大丈夫だよ。よしよし。」
俺は彼女の背中に手を当ててさすった。
とりあえず、ここは玄関だ。
………家の中で話を聞こうか。
「柚希さん、中で話を聞くから入って?」
彼女を促し、家に入れ玄関のドアを閉める。
「上がって。」
「………お邪魔します…。」
彼女は俺についてリビングまで来て、椅子に座って待ってもらう。
その間に俺はお茶を淹れて、彼女の前に置いた。
「あの…ありがとうございます。」
「うん、いいよ。…それでどうしたの?」
彼女は一瞬悲しそうな顔をして、目を伏せた。
………本当にどうしたんだ。心配だ…。早く、元気な笑った顔が見たい…。