第1章 五条悟
「では、早いうちに坊ちゃんと交際を終わらせてください。あと、今日のことは坊ちゃんには内密に。まだ婚約のことなどは本人に言っていないので、貴方から言うと混乱が生じたら困りますので。」
「はい…。」
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行きと同じく車に乗せられた。今度は拘束はなしだ。
じっと家を見るとやはり大きくて、どこかの高級な旅館のようで…。
先ほどの話も相まってとても格差を感じた。
車はゆっくりと走り出し、ぼーっと流れる景色を眺めながら考える。
………まだ現実味がないけど悟くんと別れないといけないのか。
まだ隣にいたいな。
できればずっと悟くんの隣で術師として一緒に戦っていきたかったな…。
その思いが浮かぶたびに私の胸はキリキリと痛む。
悔しさから無意識に拳を強く握り締めた。
先ほど私を連れてきた男も私の様子が気になるのか時々視線を向けてくるが気づかないふりをして外を見ていると見慣れ景色になった。
「ここで降ろしてください。」
「わかりました。…先ほども言われていましたが、このことは内密によろしくお願いします。ではお気をつけて」
「……。」
車からおり、走り去る車を見てから空を見上げた。
………内密、内密って…!!私に嘘をついて別れろっていうんでしょ。なんて酷なの…。
息が苦しい…。
辛さ、悔しさ、悲しさ、いろいろな感情が駆け巡る。頬に一筋の涙が流れた。
連れて行かれた時は夕方だったのにすっかりと夜になっていて私だけが取り残されたように感じた。