第3章 カカシ②
「……お前、柚希さんになんか言った…?」
直前まで話していたのは紅だ。
「何も言ってないわよ。」
「じゃあなにが…。」
………もしかして、またお腹が痛くなってしまったのだろうか。
さすがに女子トイレに向かうなんてことはできない。
俺は心配でトイレの方をじっと見ていた。
「よう。カカシがいるなんて珍しいこともあるんだな。」
振り返るとアスマだった。
「あっ、いや俺は…。」
「今カカシデート中なのよ。」
「なっ、なに?!それで?彼女は…?」
アスマは楽しそうにキョロキョロと周りに見たが、彼女の姿がみえないからか不思議そうな顔にかわり俺を見た。
「もしかして、お前なんかやって呆れられて帰ったとかか?」
「………いや、帰ってはない。でも…。」
………やっぱり俺なんかしたのか?
「いやいや、冗談冗談。」
俺の顔がどんどん暗くなっていったのか、慌てるアスマ。
そんな会話をしていると、
「戻りました。あっ。えっとこんにちは。」
彼女がトイレから帰ってきた。
「はたけさんごめんなさい。急にお腹痛くなっちゃって……。もう大丈夫!」
「腹痛……。そっか、治ってよかったね。」
「はい!」
彼女はアスマに視線を向けると挨拶をしていた。
さっきまでの表情はなくなった。
でも少しだけいつもの笑顔でない彼女のことが気になった。
ただいつも通りにしようとする彼女に何も聞けないでいた。
side カカシ end