第3章 カカシ②
私はその棚の本を手に取ろうとした。
あれ、こっちだっけ…?
店長が指を刺している時に私は斜め居たのでわからなくなってしまった。
とりあえず、2つのあらすじを少し読む。
‘‘お互いを思うがあまりすれ違う2人の恋‘‘
すれ違う…。うーん違うと思う。
‘‘彼氏が急にそっけなく。彼が私に隠したこと‘‘
………待って。これってまさに私じゃない…。
その本を手に取った。
主人公は15.6歳だけど、状況は私と同じ。これにしよう…。
「店長!ありがとう。この本読んでみることにした。」
棚の整理をしていた店長は目線を棚から離さず、「見つかってよかったな!」と言ってくれた。
これで少しは解決できるかも…。
私は今の状況を打破できるかもしれないと、嬉しくなった。
明日はお休みだ。
家でゆっくり本を読もう。
新たな参考書を手に入れて上機嫌で私は仕事をしていった。
あっという間に閉店時間になった。
「お疲れ様でした。」
「おう、お疲れ!今日もありがとうな!」
「はい!では帰りますね!」
「気をつけて帰れよ!」
店長に手を振って私は扉を開けて店を出た。
「よっ。お疲れ様。」
はたけさんが、前の電柱に寄りかかっていた。
「あっ!はたけさんお疲れ様です!」
私は嬉しくて頬が緩んだ。
「一緒に帰ろうかなと思って。」
「嬉しいです!」
はたけさんはにこりと笑った。
「じゃあ行こうか。」
そう言って歩幅を合わせながら歩き出した。
その頃店の店長は唖然としていた。
「あいつ…。おれはこっちの本だって言ったのに…。なんでまたこっちの本にしたんだ…。」
私はため息をついている店長がいることも知らずに。