第3章 カカシ②
あの日から数日後。
今日は仕事の日だ。
相変わらず人が来ない時はレジの椅子に座り、本を読んでいる。
もちろん、掃除や在庫の補充などをしてからだ。
今読んでいる本は恋愛小説だ。
イチャパラ以外にも読んで勉強しようと思って読み始めた。
「んー….たぶんこれは王道な感じなんだろうな…。」
恋人になるまでの過程が丁寧に描かれている小説。
確かにドキドキするし、応援したくなる感じだけど。
できれば今の状況と同じような小説が読みたいなって思ってたんだけど…。
なかなかそういう小説に出会えない。
私ははぁーっと一つため息をついて、本を閉じた。
「なんだ、悩み事か?」
急に声が聞こえてびくっと肩が跳ねた。
振り返ると店長が笑っていた。
「てっ、店長…。びっくりした…。」
「俺普通に音立てて入ってきたんだけどな。えらい真剣な顔してたな。」
「ははは…。ねぇ、店長。」
私は今の自分の状況と同じような小説はないか聞いてみた。
「ふむ、なるほど。柚希、彼氏に避けられてるんか。それはしんどいな。」
そういうと、少し眉間に皺を寄せて頷いた。
「なっ。私の話なんて言ってないです…。」
「……おっ、おう。そうだったな…。まぁ、そうだな。そういう系はここの辺りにある小説かな。これとかがいいんじゃないか?」
店長は指を刺しながら教えてくれた。