第3章 カカシ②
体調が悪くて帰るのは仕方のないことだ。
でも本音はまだ一緒に居たかった。
腹痛も心配だったし送りたかったけど、頑なに断られてしまった。
あんな大きな声を出した時なんてなかったのに。
だから、今回は送るのは諦めた。
しつこくして嫌われたら嫌だから。
そして、身支度を整えた彼女が玄関に来た時、離れがたくなった。
俺は彼女の頬や耳にキスを送る。
その度に漏れる彼女の吐息や近くにいることでダイレクトに伝わる匂い、そして、小さく震える彼女。
全てが俺を刺激する。
………まずい…止まらない。もうこのまま…。
「はたけさん。だめっ…。」
そう言った彼女の言葉にはっとして正気に戻った。
………お腹…、痛いんだったな。悪いことをした。
俺はそう思って彼女のお腹に手を当てた。
それと同時にビクつき、俺の胸を押した。
彼女の顔を見ると、顔は真っ赤に染まって少し涙目になっていた。
………完璧にやりすぎた。急に触るなんてさすがに…ダメだったよな。
お互い黙ったままだった。
でもお腹の痛い彼女を返さないといけなくて。
声をかけて、彼女はそのまま自宅に戻っていった。
パタンと閉まる扉に少し寂しさを感じる…。
………なんでそんな頑なに断るのか。なにか理由があるのか。…わからない。
ただ無事に帰ってほしいと願った。
俺は少し扉の方を見ていたが、彼女の気配が消えたのを感じる部屋に戻る。
………体調悪い彼女になんてこと。でも、正直やばかった。彼女が止めてくれなかったら…。
俺は自分に呆れながら大きくため息を一つ吐いた。
side カカシ end