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短編集(いろいろ)

第3章 カカシ②



そのままはたけさんは耳元に唇を寄せてきた。

「柚希さん……。」

「……んっ…。」

はたけさんの吐息が耳からダイレクトに伝わり、熱がどんどん広がっていく。

その間もちゅ、ちゅっ、とはたけさんが耳にキスして、私ははたけさんの服をぎゅっと握った。

「…ん。かわいい…。」

「ふ、ぁ……。はっ、はたけさん…、だめっ…。」

「………。」

そういうとはたけさんの反対の手がお腹に触れた。

「あっ…んん。」

私ははたけさんの胸を押して、離れて口を押さえた。

「…ごめん。お腹痛いよなって…。」

そういうとはたけさんが申し訳なさそうな表情になってしまった。

はたけさんの表情をみて、さっきまでのドキドキがおさまっていく。

「………私もごめんなさい…、そのびっくりしちゃって…。」

少しだけ気まずい雰囲気だ。

私たちの間には少し沈黙が流れた。

先に口を開いたのははたけさんだった。

「…その、本当に送っていかなくていいの?」

「…大丈夫です。」

「そっか…。それじゃあ気をつけて帰るんだよ。」

「はい。」

はたけさんは口布を付けると、玄関のドアを開けてくれた。

「じゃっ、じゃあお邪魔しました!」

私が玄関を出るとはたけさんは手を振ってくれた。

私も振り返して扉が閉まった。

かちゃーーー

鍵を閉めるなんて普通なのに、なぜか少し悲しくなった。
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