第2章 カカシ
「本当にありがとうございました。あのまま走っていたら絶対間に合ってなかったです。さすが忍の方は早いですね!すごいです!こんな顔を隠したままお礼を言うなんて不躾でごめんなさい。またお礼させてください。」
「間に合ってよかった。まだ時間少しあるでしょ?人が多いからちょっとこっち来て。」
はたけさんはキョロキョロと辺りを見回してから私の腕を優しく掴むと書店と民家の間の小道に来てから手を離して私に向き直った。
「ねぇ、どうして顔かくしてるの?」
「いや、えーと、あの寝坊してしまったのでいつもとお化粧違うので、こう恥ずかしてくてですね…。」
「ああ、そういうことね。でも大丈夫だよ、もう見ちゃったしね。」
ですよね、と返答し流石に失礼かと思い、ゆっくり手を退ける、恥ずかしくて視線をはたけさんから外す。
はたけさんがじっと私を見て、ふっと笑う。
「あっ、顔見て笑いましたね!」
いつもと全然違うってと思ってるだろうなと思いもう一度顔を隠そうとするとはたけさんが私の両手を掴んできた。
「あっ、違う違う、笑ったんじゃなくてさ。…やっぱり可愛いと思ったのよ。俺はいつもの君も今の君も変わらず可愛いと思うよ。」
はたけさんの言葉に目を見開く。そして一気に体温が上昇していくのがわかる。
「ええ!?お世辞お上手、ありがとうございます、あの手離してくださいー…!」
もう嬉しいやら恥ずかしいやらで早口で捲し立てるようにいってしまった。
………なんなんですか、その殺し文句。手を握られてるし、もう心臓が飛び出そうです。
「ふふ、そういうところだよ。反応まで可愛い。…さーて、もう少しで始業時間でしょ?行っておいで。」
手を離され、時計を見ると作業時間5分前になっていた。
ドキドキする胸に手を当てながら、はたけさんに反対の手で手を振ると、じゃあねと言いはたけさんは去っていった。