第2章 カカシ
ではっ!と手を振り走り出そうとした時はたけさんが私の手を掴んだ。
「そういうことなら送るよ。走るより早いからね。」
「いや、でも昨日も送ってもらいましたし大丈夫です、頑張って走ります!」
ガッツポーズを決めながらいうとはたけさんはくすくす笑った。
「でも、さっきの見てる感じだと体力なさそうだし、もう時間やばいでしょ。俺ももう少し話したいし送らせて。」
「なっ!…見てたんですか?!恥ずかし。いやでも、うーん。って、あー!もう時間が…あの、お願いしてもいいんでしょうか…?」
………もうそんな姿見られてたのかと思うと恥ずかしい。てか、自分からお願いしてしまったけど緊張する。
もちろん、とはたけさんが言いながら私を横抱きにして飛び立った。
昨日と同じ浮遊感にぎゅっとはたけさんのベストをつかむ。
「今日は叫ばないのね。…寝坊したんだっけ?」
「昨日は急でしたもん。昨日は疲れてたみたいでベッドでぐっすり寝てしまって気づいたら朝でした。」
「そっか、まっ、いろいろあったもんね…。それ、いつも髪の毛下ろしてるのに今日は結んでるんだね。」
はたけさんが私の髪の毛を見ながら聞いてきた。
「髪ですか…。寝坊して寝癖が少しー…なので一つにまとめて隠しちゃいました。」
「へぇー…、いつもまっすぐな綺麗な髪の毛だから寝癖とかもつかないかと思ってたよ。かわいいね。」
「あっ、ありがとうございます。」
………ほっ、褒め上手すぎる。たぶんいま顔真っ赤だろうな…。
……って顔!
私今日の化粧必要最低限しかしてない!好きな人にこんな顔見せてたなんてー…!
ベストから手を離し両手で顔を覆うように隠す。
「ん?どうしたの?」
「いえ、なんでもないです!」
話をしているうちに浮遊感がなくなり地面に着地し私を下ろしてくれた。
片手を外して時間を見るとまだ始業時刻の12分前でとても早く着いたことにびっくりした。
「間に合った?」
そういって笑うはたけさんに胸がまた騒ぎ始めた。