第1章 五条悟
「柚希改めて僕の恋人になって。昔みたいに悟って呼んで。」
「うん…!私、悟くんの恋人になりたい、隣を一緒に歩かせて。」
「柚希愛してる。もう離さないよ。」
「私も…。」
私たちは10年間を埋めるように抱きしめ合い2人で星が光る夜空を見上げた。
………諦めなくてよかった。この想いが実ることを想像していなかった。絶対に死ぬ時に後悔するって思っていた。人生ってほんとわからないものだな。これから悟くんの隣で歩いていく。10年前の私が知ったらびっくりするだろうな。
「ふふっ。」
「なーに、笑ってるの?」
「うんうん、なんでもないよ。ただ幸せだなって…。」
「そっか、奇遇だね。僕も思ってたよ。あー…、離れ難いけどそろそろ送るよ。」
また私たちは微笑みあって、悟くんが私の手を引いて歩き出した。
私の泊まっているホテルまでは歩いて10分程度。
「このままホテルに送ったら帰れなくなっちゃいそうなんだけど。」
「えぇ!いや帰ってください…!」
その反応に悟くんは笑っていた。
「くくっ、ざーんねん。まっ、今日は辞めとくよ。加減出来なさそう。まぁ次の時は覚悟しといてね。」
………ひぇっ!加減出来ないって…。さっきのキスだって凄かった…。きっとそういうことだって凄そう。最後にしてから10年は経ってるし…私大丈夫なのかな。
「ねぇ、ちょっとその可愛い顔辞めてくれない?僕の意思が揺らいじゃうんだけど。」
「えっ?」
「はいはい。もちろんわかってないですよね。あー、くそっ。手出したい。」
「さっ、悟くん声出てる…。…そのごめんね、久しぶりすぎてキャパオーバーなの。あんまり待たせすぎないように覚悟決めるから、少しだけ待って欲しい。」
「もう柚希ちゃーん謝らないでだいじょーぶ。ちゃーんと待つから。」
「ありがとう。」
ホテルの前まで着き悟くんの手が離れる。
「ん。じゃあね柚希。ゆっくり休むんだよ。おやすみ。」
悟くんが、私の唇に一瞬触れてから帰って行った。