第1章 五条悟
「あー!先生が女の人といちゃついてる!」
急に大きな声が聞こえてきた。ピンクの髪の少年。宿儺の器の子だ。
「こら虎杖!いまいいとこだったのに邪魔すんじゃないわよ。せっかくいいところだったのに!」
「お前もうるせーよ釘崎。」
その後、茶色の髪の毛のボブの少女とツンツンの黒い髪の毛の少年が来た。
先ほど硝子ちゃんに教えてもらった悟くんの生徒さんたちだ。
ぼーっと考えてから、ふと自分の置かれている状況を冷静に考える。
この子たちからしたら酔っ払った女が自分らの担任に絡んで、その後頭をなでなでされている状態だ。
………それはまずい。若い子たちにこんな醜態晒すなんて。そしてなにより恥ずかしい…!!
一気に酔いが冷める勢いでバッと悟くんから離れる。
更に真っ赤になる顔を両手で覆う。
「先生そんなんなのに、こんなかわいい彼女さんいるんですね。」
「ちょっとちょっと、そんなのって僕のこと?ちなみに柚希は彼女じゃないよ。」
悟くんの言葉に胸の奥がちくりと痛んだ。
恋人じゃない…。
そう私たちは元恋人同士だ…。
今日久しぶり会って沢山話をして頭を撫でてくれて、恋人同士だった日々を思い出した。
………大丈夫、ヨリを戻せるなんて思わない。
ぎゅっと目を閉じてから手を取りゆっくりと目を開けて生徒さんたちをみる。
「私高藤 柚希っていいます。五条くんと家入硝子ちゃんとは高専時代同期なの、よろしくね。」
「えっ、先生の同期?!みえなーい!」
「なーにー?このナイスガイが老けてるっていうの?」
「ナイスガイって…。ふふっ。五条くんそんなキャラだったっけ?」
面白くてクスクス笑っていると頭を小突かれた。
そのあとは悟くんの先生っぷりをいろいろ教えてくれて楽しかった。
私は恥ずかしさや楽しさで酔いはかなり飛んだ。
この楽しい雰囲気に私はまたグラスを傾けはじめた。
「飲み過ぎ注意。」
昔と変わらない声色でそう言われる。
素直に「はーい!」というと悟くんの口角が上がった。