第1章 五条悟
最初はすこしぎこちなかった私だけど、お酒も入ってるからか、そこからは学生時代に戻ったかのように話が弾んでいった。
「五条くんが下戸だとは思わなかったよ。それにその目隠し。綺麗な目が見えないし、僕って言ってるし、言葉遣い丁寧だし会わない間に変わったね。先生してるのもびっくりだったよ。」
酔った勢いと嬉しさからお酒が進む。
「こらこら僕と話せて嬉しいのはわかるけどそろそろお酒やめときなさい。」
「えー、まだ飲みたいよ。返して!こんな機会なかなかないんだもん。」
悟くんの左側に座っている私の手からグラスとり、グラスを右手で持ち遠ざけた。
返してほしくてグラスを取ろうとした時バランスを崩し、胡座をかいてる悟くんの上に倒れ込む。
ふわっと悟くんの懐かしい匂いがする。そう、この匂い落ち着く。大好きだなー…。
なかなか起き上がらない私の頭に手を置き髪の毛を梳かしながら声をかけてくれる。
「ねぇ、酔っ払いの柚希ちゃん大丈夫?」
………あー…髪の毛気持ちいい。そして心臓がドキドキうるさい。
頬に熱が集まっているのがわかる。
「……大丈夫だよ。」
でもこの顔を見せるわけにはいかない。
もう少しこのままで居させてもらおうとするともぞっと悟くんが動いた。
「ごめん柚希、さすがにその体勢はちょっとまずいかも。起きれる?辛かったら肩に寄りかかっていいから。」
「ん。ごめんね、すぐに起きるね。」
我ながら図々しかったなと思い起き上がる。
顔の熱は引かないから誤魔化すように下を向く。
「やっぱしんどい?」
聞きながら悟くんは顔を覗き込んできて、小さく息を吐いた。
「あー、こらこらこんなとこでそんな顔したらダメでしょ?僕だから我慢できるけどさー…。」
頭を引き寄せられ悟くんの胸に額が当たる。
悟くんの大きな手が私の頭を撫でていて、心地よい。
ドクッドクっと悟くんの心臓の音が心地いい。
また、私の心臓も高鳴り出した。
………もう少しだけ、このままでいたいな…。
この心臓の音が悟くんに聞こえてしまいそうで、すこし怖かった。