第11章 デザートは別腹
『ねぇ…8号と戦ってどうだった?』
ずっと聞きたかったことだ。
勘が鋭い宗四郎、なにか気付いているのでないかと思ったのだ。
「なんか妙やった…怪獣と戦ってるよりかは人間と戦ってるような…変な感じやってん。僕の気のせいかもしれんけどな…」
やっぱり…
8号の正体には気付いてはいないけど、違和感を感じている宗四郎は流石だ。
『そうだったんだ…9号のこともあるし引っかかるわね』
そう、9号が人間の姿をしていたのだ。
日比野さんと同じなのか…
でも9号は確実に殺意があった、現に市川くんと古橋くんは重症を負わされている。
そんな危険な怪獣が街に潜んでいるのだ。
本部もその事実をかなり重くみていて、その対策などを含めて来週隊長と私は本部に行かなくてはならない。
日比野さんのこと、9号のこと…考えることが山積みだ…
『ッ!宗四郎…?』
ぎゅっと宗四郎に抱き締められた。
「ほんまに最近現れる怪獣は妙な奴が多いわ。エマ、いくらお前が強いっていうてもほんまに気ぃ付けるんやで」
『うん、宗四郎もだよ…?』
宗四郎が私を大切にしてくれるように、私も宗四郎のことが大切なのだ。