第11章 デザートは別腹
「なぁ、カフカのことどう思う?」
『ッ日比野さんのこと?』
彼から出た名前に思わずドキッとした。
お風呂で抱かれた後、熱が収まりきらなかった私たちはベッドへと移動し、更に愛し合った。
漸く熱も落ち着き、今は宗四郎の腕の中にいる。
二人きりの時は滅多に仕事の話をしない宗四郎、そんな彼が珍しく仕事の話をしたかと思えば、日比野さんのことだ。
日比野さんと戦ったことでなにか気付いたのではないかと思ったが、どうやら違うようで…
『えっ!?』
「そない驚かんでも…ほら、彼奴のおかげで被害が大幅に抑えられたやん?せやから正隊員に昇格させてやりたいなぁって…どや?」
『うん、いいと思う!私も推薦するわ』
「ほんまかぁ!?ありがとう!」
元々日比野さんのことを気にかけてた宗四郎、口には出さなかったけど日比野さんの努力を1番見てきて評価しているのは彼だ。
きっと昔の自分と日比野さんを重ねているのかもしれない。
努力をすれば報われる…それを宗四郎は実現したのだから…
私の言葉に嬉しそうな表情をする宗四郎、なんだか日比野さんに嫉妬しちゃうな…って思ったことは宗四郎には秘密だ。